しなのキャンパス・事務局より
中野喜己子 Kimiko Nakano
しなのキャンパス事務局
しなのキャンパスでの二日間、皆さんと共に過ごさせていただいてありがとうございました。
「経験が言葉を変える」これは田中先生が過日(キャンパス後)の旧市川小学校での講演の折りにお話しして下さった言葉です。
先生御自身の実践のビデオを見せていただきながらの叙述の中で、同じ言葉でも、その子の経験により、言葉の中身の意味までもが変わってくるということを、子どもたちの姿から見させていただきました。
子どもたちの経験が今回のキャンパスでどう生きているだろうか?
そして今回のキャンパスでどう感じたのだろう?
と振り返ってみますと、子どもたちから教えていただくことばかりでした。
二日間を大まかですが日程に沿って、私なりに振り返ってみようと思いました。
~ リトミック ~
キャンパスの開始はリトミックでした。こども達は、時に柔らかく、時に思いっきり自分を表し、心と身体を拓いていきました。リズムとともに子どもたちの身体の内から表れてくる情感はやがて体育館全体を包み込んでいきました。その時の写真を見ますと、こどもたちの身体のあちこちから、仲間と繋がっていること、音楽、気持ちまで聞こえてくる様です。
~ 表現 ~
こどもたちと共に庭での活動を実現して下さった中野哲良さん。秋の景観のなかにこどもたちは身体を融け込ませているようでした。栗のいがを見つけたり、イガに触れた痛さを感じたり、ススキの穂の感触を味わったり、柔らかな木の根をほんの少し折ろうとしてもなかなか折れないでいたり、まるでお猿さんのように木に登ったり。葉っぱが秋の装いをしていることを感じる子、トンボが身体にとまってくれるようにと人差し指を高く上げて待っている子。・・・皆、生きていること感じました。百科事典からでは感じられない学びです。・・・その時にどう感じるか・・・子どもたちは全身の感覚で受け止めていました。
そしてそんな秋探しの中で、中野さんが独楽を子どもたちに披露して下さいました。中野さんの身体から独楽は生きているかのように回りだします。回る独楽を子どもたちは周りの風景に身を任せて、ゆったりと見つめていました。
体育館に戻って、中野さんのまさに職人芸を皆で一緒に体験させていただきました。壁塗りの芸を伝授してくださる中野さんの後ろで、子どもたちの腰の入れようは凄く、気合を感じました。写真がまたすべてを語ってくれています。
~ 夕食づくり ~
グループ同士の関わりがどう表れるのか・・・私たちの関心とは別に、子ども達はカレー作りに一心でした。調理器具の数に限りがあるなかで、やりたい作業をぐっと我慢して仲間に譲った経験も大切な出来事の一つだと思います。じゃがいもの皮を剥いたり、切ったりするときの眼。同じ食材から、それぞれのカレ-が出来上がりました。子どもたちにとっての「おいしいカレー」「格別のカレー」です。仲間と味わった経験からの《言葉》は、本物だと思いました。
~子ども達だけプレイルームで~
子どもたちのうたにメロディーがつくまでの間、田中先生が子どもたちに、附属小、市川小、平野小での授業風景のビデオを見せてくださいました。それぞれの小学校の子どもたちにとっては過去の自分や友と遭遇することになり、又、他の学校での田中先生と子どもたちの姿との出会いとなりました。
偶然廊下を通りかかった私は、スクリーンに映し出されている映像に、自分の用事も忘れ、見入ってしまいました。子どもたちの表情までは、はっきり見えませんでしたが、みんな本当に嬉しそうでした。ビデオ映像が終わってもなかなか立ち上がらずにいました。
ビデオの中の算数の授業で、子どもたちは先生の説明に納得せず、先生もむきになって皆に考えをぶつけます。すると何人かの子たちが黒板に寄ってきて。そこからは先生も子どもも真剣勝負です。子どもとか先生という区分はまったくありません。子ども達の感情や心の働きがそのまま生きている授業でした。
~ うたづくり ~
歌作りも行いました。中野さんとお母さん方も素敵な歌を作りました。子どもたちの歌の歌詞は全て子どもたちの言葉です。子どもたちの詩と思い、北島先生のピアノと思い、藤原先生の指揮と思いが繋がっていきました。短い時間にもかかわらず、合唱は体育館いっぱいに響きました。さらに大学生の皆さんが子どもたちの為に楽器を手に歌を贈ってくださいました。みんなが歌って、そして繋がっていました。
~ 夜の学校、そして校舎内での宿泊~
・・・ここでは普段馴染みの快適な布団はありません。ダンボールで造った寝床で、直ぐに寝る子、なかなか眠れない子もいました。全て、それぞれの経験です。
~そして~
翌日、子ども達はこのキャンパスでの経験を身体に携えて、元気に帰っていきました。
キャンパスでの二日間に感謝でいっぱいです。
今回キャンパスを開くにあたり、お世話なりました全ての皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
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