たす+たす+たすを止めてみる
tae | 未分類7 5月 2011
年に何回かの顧客満足度調査。その調査でいただく意見は耳の痛いものもあります。特に食事に関しては、それぞれの方の家庭の味と違うこともあって、ずばり、「まずい」と言われてしまうこともあります。
一生懸命調理しているスタッフさんは、ショックを受けながらも、「なんとかしたい!!満足していただけるには、どうしたらいいの?」という気持ちでさらに頑張ります。それが、「うまみ成分を足そう」「化学調味料を足そう」となってしまうことがあります。
そして、また次のアンケート、今度は「もっと質のいい肉が食べたい」「ぎんだらの粕漬けが食べたい」なんて意見が出て、じゃあ、今度は高級食材・・・なんて、際限なく「たす+たす+たす」になってしまい・・・こうして書きだしてみると、本当に変なことなのですが、実際にあることなのです。
これって、今、私が生きている環境そのまま。と思います。
アンケートをとるごとに、入居者もスタッフもどんどん苦しめていくことが分かって、自分も苦しくて、何か変だ。と思いました。
「そうだ、何のための食事かっていうところ。健康に過ごしてもらいたい。そのための食事なんだ。」と、中野のスタッフさんからの言葉。そして、「たす+たす」を止めることに・・・それを止めると、今度は、ご入居者とお話をするチャンスが巡ってきました。スタッフさんは、「入居者のお話を聞きながら、今度は自分もどんな願いで自分が食事を作っているのか、お伝え出来る機会ができたんだよ。せっかくのおいしい食材。素材の味も楽しんでいただきたいんです。なんて言っちゃったけど、生意気だったかなあ。」と。
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5月4日、化学物質過敏症を描いたドキュメンタリー「いのちの林檎」をみせていただきました。アフタートークで、少し後ろの席の女性から「私も化学物質過敏症で、軽井沢の標高1000以上のところに天然木で造った家に、都会から移り住んでいます。この会場の空調のせいでしょうか、いま、頭が痛くて・・・・明治時代みたいな生活に戻れば、どうこうないことなんですが・・・こういう病気があるってことをまず、知ってもらいたいんです」というお話がありました。・・・そのとたんに、自分の脚がガクガクと震えだして、止まらなくなりました・・・もしかしたら、私から発している化学物質が、この女性を苦しめているのかもしれない・・・・うんと、うんと、考えました。どうしたらいいんだろう・・・
本当にちっぽけですけれど、今私に出来ること。「たす+たす・・・・」を止めてみること。意識してみます。
5月4日の講演会と映画を見て、戻れるものならせめて10年前にもどって、もっとちゃんと自分のまわりの環境とかに向かい合えばよかった、正直そう思いました。
様々な科学物質が、より小さい人間への毒として蓄積している現実。今時の子どもたちは、とくくる大人が、子どもたちの脳に何にも責任を持ってこなかった事。
木村さんのりんごもそうですが、10年経たなければ分からない事に対して、私たちはガチンコで生きていかなくてはいけない事。だから10年先を信じて今を生きたいと思います。
でも、本当のところ、ソクラテスの弁明やカラマーゾフの兄弟でも、ずっとずっと以前から明らかな事だったのに。時間をかけないと、気付く事ができない。だから人間は同じ過ちを繰り返すのですね。
その通り
原稿あがりました
本当に本当におつかれさまです。