Sさんからの電話
TAKA | member, taka10 7月 2011
先週、Sさんから突然電話がありました。
受付のTさんが「丸山さんに患者さんのSさんから電話がはいってます。」と言われ、
私 :「あれ?Sさん確か昨日入れ歯の調整をされて帰られたはず。どこかまだ痛いところがあって困っていられるのかな?と思い・・・Sさんどうかされましたか?」とでると、
Sさん: 「お忙しいところ大変すみません。実は昨日聞けばよかったのですが、どうにも気になることがありまして・・・・」
私:「はい、どんなことでしょうか?なんでもどうぞ聞いてください。」
Sさん:「昨日私の全身疾患のことを聞かれましたよね。私の口の中のどこかへんなところがあり聞かれたのですか? なんだか妙に気になってしまって・・・・・。」
えー、 まさか・・・・・・・・
目の前が真っ暗になった。
私:「私の説明不足でご心配をおかけしてしまい、本当に本当にすみませんでした。決してSさんの口の中にどこか悪いところがあってお聞きしたわけではありません。全身疾患はみなさんにお聞きしているのですが・・・・・・・」その先は何をどう言ったのか・・・
遠くで先生がしきりに私を呼んでいる声がしたが、電話を切った後しばらくそこから動けなかった。
Sさん、昨夜はそのことが心配で眠れなかったのだろう・・・・・
もし悶々としたまま、ずーと聞けずにいたら、と、思うと・・・・・・・
サーと 血の気がひいた。
日ごろ少しでも患者さんの心の負担が軽くなるお手伝いができたらと思っているのに、私は逆に心配の種をまいてしまったのです。
そういえばSさん帰り際の様子が少し変だった。
どうして「どうかされましたか?」と、声をかけなかったのだろう・・・
確かにあの時、他の患者さんをたくさんお待たせしていたけれど、忙しいなんて理由にならない。
これは私の説明不足からおきたことだけではないのだろう・・・・
想いが足りない?いや本当に想ってないからなのでは・・・
先週はできれば仕事に行きたくなかった。しかし貴也に引っ張られるかのように職場に向かった。(いろんなところでつまずき、いろいろ悩んでいる中でそれでもと奮起している貴也をみていてそう感じて・・)
私の失態をみんなに話をした。
なぜそうしたか?
リトミックを通して想った。隠さない、オープンにすることと、独りで意固地になってがんばらないほうがいいと思ったから。
あれから受付のTさん、受付で話された患者さんの情報をいろいろ伝えてくださって、私たちが見落としてしまいそうなところをよりいっそうフォロしてくださるようになったような気がします。
ところが先週末、受付のTさんのお父様が突然倒れられ、暫くお休みすることになった。
しかも、もう一人の人は月曜日から1週間モンゴルに行かれる。
さてこのピンチをどう過ごすか・・・
大変な時だからこそ、大切なことを見失わないように、と、自分に問いたい・・・・
今日一日過ごしてみて思ったこと。
それは1+1+1は5にも10にもなるということ。
そしてまわりには必ず手を差し延べてくれる人がいるということ。
今朝は人手不足を補うため診察開始1時間前に職場に行き準備をしました。
それでも月曜日ということもあり、電話がひっきりなしに鳴り、一人では限界があるなーと思っていた矢先、同僚の2人がいつもより10分ほど早く来てくれました。
それからはすごく診察がスムーズにながれて・・・
保育園の子どもたちがいるお母さんにとって10分早く家を出ることがどんなに大変か・・・・・
しかも、「たか代さん一人では大変だから保育園延長に出しました。いつもより遅くまでいますね。」
と言ってくださった。
たすかったー。
いっきに肩の力が抜けた。
そして思った。
なんだか自分一人でがんばっているような気になっていた自分がいたんだと思った。
そうじゃないんだよなー・・・・・・
Sさんが自分が分からないことをきけたことが一番良かったことと思います。
患者さんが気軽に分からないことを聞ける雰囲気の職場(私)でありたいと・・・・