介護ということ

yumi | member, yumi
31 8月 2011

父と母のやり取りを見ていると、お互いの思いがわかるのに「ああ‥」と思ってしまう。

母は父が元気になってほしいと思うから世話をやく。自分がどれだけ心配かを伝える。看護士さんを捕まえてはいろいろお願いする。でもそれが父には負担になっているのが分かる。朝晩母を載せていく車中で伝える。

「お母さんの気持ちは分かるけど、もっとお父さんのことほっておきなよ。」「なんで?そんなこと言ったっていろいろ言わなきゃわからないでしょ?看護士さんにだってお願いしておかなきゃ。」「お父さんは、自分のことは自分で一番分かってる。もしもの時はお父さんが看護士さんに話すから。行った時は、お父さんの話だけ聴いていて。自分の言いたい事はノートに書くか、私にいいなよ」「そうかもしれないけど・・」なんど同じような会話をし続けているか。

子育てと同じだと思った。母は自分の考えを私にずっとふり注いで教育したことを、ある程度自負している。私はそこから逃れたかった。母のおかげと母のせいがくるくるまわって生きてきた。

母と一緒でないときに父の病室を訪れる。何でもない事をただ話しているのを聴く。すると、ときどきぽつぽつ話しながら、リハビリがちょっときついこと、同部屋の人の事を話しだす。どうしても持ってきてほしいものについても詮索せず、次のときもっていく。でもやっぱり必要なくて、持ち帰る。

母が一緒だと、そういうとき「ほら、だからいらないでしょ」と一言多い。そんな時は帰りの車のなかで、「お父さんが納得すればいい事だから、いろいろ言わないようにしてみて」「お父さん、お前がいく方がいいんだよね。」「お母さんはお母さんでいいんだよ。思いが強すぎるからね。いろいろ言いたいときぐっと飲み込んで、まっている事も大事だよ。とにかく過保護だからね。あれもこれもしてあげなくちゃって思わない方がいい。」

毎日がこんな連続。ずっと元気にしていた父は、術後自分の身体が思うようにならない事にちょっとふてくされているのかな。一人で家にいる母は、今まで話を聞いてもらって当たり前の相手がそばにいないから、無理もない。

でも先は長い。退院したら、なおさらだ。程よい関わり方は、何歳になっても難しいのかもしれない。父と母を見て、また学ぶ事多し。

 

4 Comments

  1. 和ちゃん より:

    肉親の難しさをほとほと感じますね。
    妹は嫁いでいるのだから,まずはむこうの家の方に了解を得ておふくろの入院に携わってほしいと父に言っても「自分の子なんだから」と言って耳を貸さない。妹も「そんなの大丈夫」という。でも,違うんだよなあ。
    おふくろが入院して一ヶ月が過ぎた。日赤は長く入院させておくことができないとかで,一端新生病院に転院することになった。まだまだ介護は続く。

  2. kin より:

    我が家では、おばあちゃんの今が私達の思う今となかなか重なり合うことが出来なくなってきたりしています。
    同じ空間、時間のなかにいても、まったく違う世界にいるように思うときがあります。おばあちゃんが不安を訴える時、自分の尺度におばあちゃんを当てはめようとしている自分がいて、かえって不安を大きくしていることあります。
    リトミックで学ばせていただいている聞けることも出来ていませんでした。ほんとに・・おばあちゃんを聞くなかで自然と見えてくることありました。
    先は見えず、不安はいっぱいですが、人のなかでも・・・おばあちゃんの笑顔に少しでも繋がればいいなと思います

  3. tae より:

    昨日、久しぶりにばあちゃんとゆっくり過ごした気がしました。
    このごろ、自分の思うようにならないことへのばあちゃんの苛立ちを、どうしてそうなるのか、ちゃんと感じることも、聞くこともせずに来てしまった自分がいました。
    きゅうりや茄子の話しをしているうちに、ばあちゃんのイライラは自分勝手なだけじゃなくて、家族を思うことから来るんだ・・・ということも感じはじめました。だけれども、まだまだお互いのエゴで話すので、ギクギクと音がきこえてきます・・だけれども、嫌な訳じゃない。ばあちゃんと話しながら、ずーっと実家の母との関係づくりから逃げてきた自分を思いました。もうすぐ母のペースメーカー電池交換のOPE。娘として・・・ただ純粋に心配で、出来ることがあればさせてほしい・・・。私がすなおになれれば・・・母も少し楽になることもあるかなあ・・・

  4. TAKA より:

    「ほら、だからいらないでしょ」と一言多い。

    これはまさに、私だと思いました。そして母も・・・

    母のことをうるさいなーと思うけれど、自分もそっくりなことに気づく・・・・・

    最近、母のそんな姿をみて私は言葉を呑み込むことが多くなった。
    こうはなりたくないと思うから・・・

    でも多恵さんの文を読ませていただいていたら、「あー私って母のこと否定ばかりしていたんだなー」と思った。
    母がいろいろ言うのはほとんどが心配してのこと。
    「あー、もう言わなくていいから。」なんて冷たい態度で接していたけれど、全然母の言葉を聴いていなかったなー。
    少し聴いてみようかな・・・・

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